ことばのたからばこ

溢れたことばを綴ります。たからばこにそっとしまうように。

どこか。

「その道はどこに行けるの?」

小道を見つけた。

ふらっとその道へ入ったとき、通りすがりのおばちゃんは言った。

「知らないです」

そう答えたわたしに、おばちゃんは

ふふふっと笑って行っちゃった。

 

どこへたどり着けるか分からない。

そんな道を歩くのって楽しい。

その小道の先には、竹林があった。

初めて、たけのこが地面に埋まってるのを見た。

たけのこから、たけのせいねんになって、

たけになる様子を初めて見た。

おばちゃん、あの小道は竹林に行けたよ。

美味しそうなたけのこがいっぱいあったよ。

小道を歩いて、森の中をかいくぐった先にある竹林。

あのおばちゃんは、たどり着くことがあるんだろうか。

 

森の中。

 

私は動物だった。

 

驚くほど思考をしていなかった。

 

ただ目の前にある自然を、木を、命を感じるためだけに

 

目を使い、緑を映した。

 

耳を使い、風の音を聞いた。

 

鼻を使い、草のにおいを嗅いだ。

 

手で触って、その温度と感触を確かめた。

 

頭が働いていないぶん、

 

体が私をいろんなところに連れて行った。

 

見たい。聞きたい。嗅ぎたい。触りたい。

 

ただその欲望に心を委ねたら、体が勝手に動いた。

 

心が沸き立つのを感じた。

 

なにも怖くなかった。

 

何者かになりたい。と願いながら、

 

何者にもなりたくない。と願う矛盾を抱えた心は

 

そのときたしかに消えていた。

 

森全体が呼吸している。

 

私もそこで一緒に呼吸している。

 

それだけが全てで、それで充分だった。

 

私が見たのはただ一面だけで、森にはもっと怖い顔をする瞬間があるのかもしれない。

 

でも、だからこそもっと彼らの顔をよく見たいと思う。

 

未来について確かに言えることなんてなに1つないけれど

 

だからこそ今この瞬間、感じたことを大切にしたい。

 

未来の約束ができないダメ人間だけど、

 

今この瞬間感じていることには誰よりも素直で在りたい。

 

いま。いま。いま。

 

今しかないんだと、体に刻みこみたい。

 

そしてそれを身体中で感じれるのが自然なんだと思う。

 

だから私は森に行く。それだけ。

 

逃げ

 

わたしはいつもいろんなものから逃げてきた。

 

給食当番を忘れて遊んでた小学生のわたしは教室から飛び出して先生から逃げたし、

 

(捕まって校長室で、もう逃げません。て誓わされた。笑)

 

学校には内緒で行った文化祭の打ち上げをわたしの親から、たまたまバレちゃって、クラスのみんなに非難されたときも逃げた。

 

一目散に家まで走って帰った。

 

いじめられてしんどかった部活からも、

つまんない友達関係からも逃げて、不登校になったり。

 

嫌なこととか、つらいことばかりからじゃない。

 

楽しいこととか、幸せなことから逃げ出したこともあった。

 

大切に想ってくれる人と向き合うのが、

幸せをちゃんと見つめることが、怖くて逃げた。

 

いつもいつも、正当な理由を用意した。

 

あ、それなら逃げてもしょうがないね。って言ってもらえるような。

 

だって病気だから。だっていじめられたから。
だってしんどかったから。だってこんなこと言われたから。

 

言い訳製造マシーン。

 

わたしは言い訳を作る天才だと思う。

 

そうやってのらりくらりとかわしてきた。

 

いつもどこかへ逃げたがってるわたしがいる。

 

ここじゃないどこかへ。

 

また逃げか。なんてよわっちいやつだ。

って自分を思ってたけど、

 

もしかしたらただいつも移動してたいだけなのかもしれない。

 

1つの場所に留まらずに、いつもどこかへ行くために。

 

そのためにわざわざ言い訳を創ってるのかもしれない。

 

っていう言い訳。

すきなこ

 

 

ぼくには、すきなこがいるんだ。

 

ぼくたちはうまれた時からずぅっといっしょだった。

 

うれしい時もかなしい時も、いちばんの親友だった。

 

知らないことはなにもなかった。

 

でもね、あるとき。

 

ぼくはすきなこの声がきこえなくなった。

 

すきなこより大きな声が、こう言うんだ。

 

言うことをききなさい。

 

じゃまをしないで。

 

いい子になりなさい。

 

ぼくは、必死だった。

 

いつしか、すきなこのことなんてわすれて、

 

大きな声の言うことをきいた。

 

じゃまをしないで、いい子になった。

 

いつのまにか、自分のきもちがわからなくなっていた。

 

どんな感情になればいいのか、わからなかった。

 

かなしいってどんなだっけ。

 

うれしいってどんなだっけ。

 

みんなが笑うから、笑う。

 

みんなが泣くから、泣く。

 

いい子ってこれでいいのかな?

 

ぼくは、すきなこをうらぎった。

 

だから、バチがあったのかもしれない。

 

もう一生、あえないのかな。

 

あいたい。

 

 

 

 

さがすんだ。もう1度、あのころのように。

 

一緒にいたい。

 

必死に、さがした。

 

隠れてしまってちっとも出てくれないすきなこを。

 

ころびながら、いばらのみちをかいくぐる。

 

おおきな海を、息をとめてもぐる。

 

そこには、冷たい殻にくるまれたすきなこがいた。

 

あぁ、ぼくはとってもとってもきみをきずつけてしまったんだね。

 

ごめんね。ごめんね。ゆるして。ゆるして。

 

なみだが、とまらない。

 

ゆるして。ごめんね。ゆるして。

 

そっとふれて、ぎゅーってした。

 

今までずぅっとひとりでいたんだね。

 

ぎゅーってしたら、だんだん、

 

ぬくもりがもどってきた。

 

だんだん。ゆっくり。

 

すきなこは、ぼくのむねにいた。

 

ずぅっと。

 

きこえなくなったんじゃない。

 

ききたくないから、耳をふさいだんだ。

 

ごめんね。ありがとう。もう、はなさない。

 

ぜったいぜったい、はなさないから。

 

あいしてるよ。

 

ぼくのきもち。

 

人間やめよ。

 

最近、土に還りたい欲がどんどん増している。

 

 

緑と水がある場所で、ひっそりと暮らして

 

 

体ぜんぶ使って心を震わせて生きたい。

 

 

未来のことも、過去のことも考えないで

 

 

ただ、いまそこに生きている木のように。

 

 

妄想爆発させると、

 

 

木になりたい。

 

 

地球にとってのわたしが

 

 

わたしにとっての石ころのように

 

 

大きな自然の中でちっぽけなわたしを

 

 

ちっぽけな人間を愛でていきたい。

 

 

人間、やめようかな。

 

 

人間だから。

 

 

幻想に揉まれて

 

 

壊して創って

 

 

体を溶かして

 

 

いつも頭の中を支配されてる。

 

 

人間やめちゃえば、

 

 

ごめんね、わたし人間やめたから。

人間界のルールでは生きてないから。

わたしはわたしのルールで生きるから。

ごめんね、頑張ってね。

 

 

って言えるのかも。

 

はらぺこ

 

あといっぽ、歩いたら倒れるんじゃないか、ってくらいにお腹が空いて

 

 

パンを買って食べた

 

 

そしたらお腹の裏のとこが痛くなって

 

 

あぁ食べたものってそんなとこにいくのね

って

 

 

はやくこのうまく回らない頭にエネルギーを送ってよって

 

 

目を瞑って話しかけてみる

 

 

おなかが一生懸命がんばって、ぐるぐるとかき混ぜるから

 

 

きもちわるくなって

 

 

命にごめんなさい

 

 

わたしの勝手で消費してしまって

 

 

でもどうしても、あなたが血となり肉となる想像がつかないの

 

 

命をぞんざいに口に突っ込むことは

 

 

食べること?

未来はある?

毎日、朝起きたら昨日の続きだってなんで思えるんやろう。

 

 

なんか、どうしても未来があると思えない。

 

 

情報としてはわかるし、時間の流れも感じるんやけど

 

 

未来のことを考えても、ほんとうに未来があると信じきれない、というか。

 

 

今しかない。

 

 

一度、自分で自分の未来を断とうとしてから、

未来なんて不確定であいまいなものなんだ、

って思うようになった。

 

 

次の日には、次の瞬間にはなにもないかもしれない。

 

 

だから、今感じたこと、今思ったことは後回しにしたくない。

 

 

明日言おう。明日やろう。いつかやろう。

 

 

は、やらないのと同じ。

 

 

ただ、やっかいなことに、やりたくないことは後回しにしちゃうんよなあ。

 

 

明日があるかわからないからこそ、明日に回してしまえばやらなくて済むかもしれないから。

 

 

そこはあたしのよくないところ。

 

 

たくさんのことを同時にできないのも。

 

 

弱みだなあ。自己肯定感さがる原因。

 

 

気をつけよ。