へのへのもへじ。
電車に、口を『への字』にしているおじさんがいた。
口を『への字』にするってこういうことか!!!
ってなるくらい、見事な『への字』。
眉間に皺を寄せて、腕を組んで、ぎゅっと目を瞑って、
まるでじっと耐えて我慢してるような。
なんかねー哀しくなった。
大丈夫だよ、我慢しなくていいよ、って、言いたくなった。
でも、周りをみたら、結構いるんよね。
若い人はほぼ携帯をいじってるし、
おじさんたちはじっと固まって虚ろな目をしてるし。
みんな、我慢したり、やるせないような気持ちを抱えてるんやなぁって。
『への字』おじさんが席を立って、そのあとに座ったおじさんは、笑ってるみたいな顔の人だった。
この人はまっすぐ横に口を結んでるけど、
目が垂れ下がって幸せそうな感じ。
穏やかな表情をしてるように見えるし、
目の奥がキラキラしてる。
やっぱり感情って、人相に出るんやね。
この『への字』おじさんと『垂れ目』おじさんは、
身なりがぜんぜん違った。
『垂れ目』おじさんは、『への字』おじさんに比べてきちんとした格好をしてた。
あぁ、なんか、そうゆうことか、って。
あたしも、笑顔が一番似合うように在りたいなって思った。