ことばのたからばこ

溢れたことばを綴ります。たからばこにそっとしまうように。

うし。

 

 

赤が目の端をちらちら舞う

 

 

なんだと思えば

 

 

最後に会った君の赤いショール

 

 

おかしいなあ

 

 

きみはもういないはずなのに

 

 

写りもしないものが

 

 

過去へと引きずりこむ

 

 

今ここにいることさえ許してくれないなんて

 

 

きみはずいぶん欲張りだね

 

 

その赤が目に焼き付いて離れないのは

 

 

闘牛も同じか

 

 

いやぁ闘牛のほうがまだましか

 

 

捉えるべきものがないわたしは

 

 

どこにもいけず、ただここで

 

 

想いを馳せているだけ。

 

わたし。

 

 

世界は大きく分けて2つある。

 

 

わたしか、わたしじゃないもの。

 

 

どちらかしかない。

 

 

わたしの中に入ってくるもの。

 

 

みず。たべもの。あなたのことば。

 

 

おと。いろ。おんど。

 

 

わたしの中に入れば、それはわたしになる。

 

 

ふれたもの、感じたもの、食べたもの。

 

 

ぜーんぶ。

 

 

あなたも、わたし。

 

 

あなたがいて、わたしの目に映るならそれはもう。

 

 

生きることは、わたしの範囲が大きくなること。

 

 

広くなること。

 

 

混じり合うこと。

 

 

ぜーんぶ、抱きしめる。

 

 

だってだいじな、だいじな、わたしだから。

 

泣くことがすき。

 

泣くことがすき。

 

 

わぁーってなにかを感じたとき、

 

 

言葉にできないくらい心が動いたとき、

 

 

その情動を発散できるのが、泣くこと。

 

 

嬉しいことも悲しいことも、感動も。

 

 

涙とともに吐きだすこと。

 

 

言葉にならないものを吐きだすための手段。

 

 

実際は、勝手に溢れてるんやけどね。

 

 

そうして溢れたまんまに流していたら、

 

 

胸の締めつけがすーっとなくなる気がする。

 

 

1年前までは、人前で泣くことにすごく抵抗があった。

 

 

ぐちゃぐちゃな自分を見せれなかった。

 

 

なんでもないふりをして、トイレで泣くこと。

 

 

それが、美徳だと思ってた。

 

 

人前で感情をむき出しにする人を見て、

 

 

子供だなぁ。かっこ悪いなぁ。って思ってた。

 

 

でも、だんだん。

 

ぐちゃぐちゃな自分を受け入れてくれる人が増えてきて、

 

 

その心地よさに救われた。

 

 

我慢しないことってこんなに、楽なんだ。

 

 

こんなに幸せなんだ。って。

 

 

それからは。

 

 

感情を素直に出せる人を尊敬できるようになったし、

 

 

自分もできるようになった。

 

 

そうするとねー

 

 

どんどん、自分を認められるようになった。

 

 

どんな感情も、ぜんぶ大事にしよう、って思えた。

 

 

人にも。いいんだよ、感情出していいんだよ。って言えるようになった。

 

 

だからね、

 

 

みんなが、素直に感情をだせるような空間をたくさん作りたい。

 

 

ぜんぶ、受け止めるよ、って。

 

 

安心して力を抜けるような居場所を作りたい。

 

雪のひとかけ

 

 

雪のひとかけになりたいのです。

 

 

たしかに、あるのに。

 

 

触るとふっと溶けてしまう。

 

 

じっとながめていると。

 

 

結晶のひとつひとつがかがやく。

 

 

お日さまの光をあびて

 

 

ここぞと言わんばかりに胸をはって

 

 

全身でかがやく。

 

 

そして、とける。

 

 

その冷たさとは裏腹に、あたたかさを遺して。

 

 

そこに冷たい染みを作ったあとは

 

 

ただじっと全ての水分が消えるのを待つ。

 

 

そうして跡形もなく消える。

 

 

その命はたったの5分かもしれない。

 

 

でも、そのキラキラと輝いた結晶のひとつひとつは

 

 

しっかりと空に還り、

 

 

綺麗な空をつくる。

 

 

そうやって

 

 

ひっそりとかがやいて、ひっそりと儚く消えるような

 

 

そんな雪のひとかけになりたいのです。

 

触れたとき。



誰かの創ったものに触れたとき。

 


感情がね、ぐわぁーってくるの。

 


ストーリーがね、流れ込んでくるの。

 


あぁ、こんな気持ちだったんだね。

 


こんな想いをこめたのかな。

 


そういうのが、胸をぎゅーって掴むの。

 


想いが、愛が、流れ込んでくるぶん、

 


全身全霊で返したい!って思うの。

 


でもそうするとね、

 


言葉が出てこないの。

 


涙が、心臓のどきどきが、抱きしめたい気持ちが、

 


制御できなくなるの。

 


 にんげんって不自由だね。

 


頭に浮かぶのが、愛してるとか、ありがとうとか。

 


そんな言葉ばっかりで、うまく会話にならない。

 


でも、ちゃんと感じてるからね。

 


伝わってるからね。

 

 

誰かの心をぎゅーって掴むようなものを

 

 

あなたは作ってるんだよ、って伝えたい。

 

 

キラキラしたものばかり見てるんじゃないよ、

 

 

どれだけ頑張ったのか、どれだけ苦しんだのか。

 

 

計り知れない時間を経てきたから、こんなに輝いてるんだよね。

 

 

ありがとう。

 

 

日常に彩りを、心を震わせるものをありがとう。

 

 

どんなものだろうが、愛してる。

 

いる。

 

 

目をつぶる。

 

 

きこえる。

 

 

冷蔵庫が、唸ってる。

 

 

きこえる。

 

 

わたしの吐く息のおと。

 

 

きこえる。

 

 

心臓が揺れて、擦れる布のおと。

 

 

 

 

 

においがする。

 

 

さっき食べたパンのにおい。

 

 

においがする。

 

 

わたしから。柔軟剤のいいにおい。

 

 

においがする。

 

 

少し開けた窓から、冬のにおい。

 

 

 

 

 

かんじる。

 

 

どくどくと、規則正しく脈を打つ。

 

 

一瞬。また一瞬。

 

 

しずかに時を刻むのを。

 

 

わたしは

 

 

たしかに

 

 

存在している。

 

みず

 

 

自然のあふれる場所にいきたい。

 

 

ひとりでいきたい。

 

 

わたしの中からあふれでるものを

 

 

一滴もこぼさずに感じきりたい。

 

 

わたしの中に流れこんでくるものを

 

 

余すことなく飲みほしたい。

 

 

わたしがわたしである証拠を

 

 

少しだけ循環させて

 

 

淀んだ空気を吸ったぶん

 

 

ぜんぶ吐きだしたい

 

 

そうすれば。

 

 

ひとがたくさんいるところでは

 

 

踏みつけられてしまうから

 

 

雪の下に隠れているふきのとうも

 

 

わたしらしさをおもいきり羽ばたかせられるかもしれない。